狼社長の溺愛から逃げられません!
雑誌の出版社の人なのかな、と思っているとぞんざいな仕草で名刺を突き出された。
慌てて受け取り自分の名刺を渡す。
そして貰った名刺を見下ろす。
そこには、『映画評論家 小笠原浩二』と書かれていた。
「小笠原さん……」
何度か名前は見たことがある。
雑誌やネットで映画の評論を発表している評論家だ。
こちらで招待した記憶はないから、きっと雑誌の編集さん経由で来てくれたんだろう。
「雑誌に紹介記事を載せたいからって評論を頼まれて『ルイーズ』の試写を見たんだけど、駄作だな」
「え……?」
そう言われ、驚いて顔を上げた。
「時間の無駄だった。見る価値もない」
冷たい声で遠慮のない言葉を叩きつけられ、混乱する。
「一応依頼されたから批評は書いたけど、読む?」
そう言われ、ぼうぜんとしながらうなずくと、A4の紙にプリントアウトされた原稿を渡された。
震える手で受け取り、文字を目で追う。