狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「主人公になりきるのはいいけど、オフィスで暴れるのはやめておけ」

意地悪にそう言われ、自己嫌悪と悔しさと情けなさと、いろんな感情がごちゃごちゃになる。
反論の言葉を見つけられずパクパクと口を動かす私を横目で見ながら、社長は優雅な仕草で煙草に火をつけた。

「――――っ!!」

恥ずかしさが爆発して両手で顔を覆い言葉にならない叫びをあげると、社長は肩をゆらしながら煙草の煙を吐き出した。




人がこんなに動揺しているのにそれを見て愉快そうに笑うなんて、ほんとこの人は悪魔だと思う。



 

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