狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「ホテルで過ごしたときは素直に甘えてきたくせに、少しでも早くお前に会いたくて必死で仕事終わらせてカナダから帰ってきた途端いきなりすねて俺を拒むし、俺の前から逃げ出して小笠原のマンションに行ったなんて聞いたら、心配するだろ」
「わ、私に会いたくて……?」

さらりと言われた言葉が信じられなくて目を見開く。

「会いたいに決まってるだろ。じゃなきゃ死ぬほど忙しい中、わざわざ時差気にして時間作って電話かけたりなんかしねぇよ」
「待ってください。そんなこと言われたら、勘違いしちゃいます……」
「は? 勘違いってなんだよ」
「そんなことを言われたら、社長が私のことを好きだと思っちゃうじゃないですか」

期待するな、私。
社長はただ、禁煙のイライラをまぎらわすために早く私とキスしたいだけかもしれない。勘違いして浮かれたら、また傷つくことになるかもしれない。

疑うように社長を見ると、綺麗な眉間にシワがよる。

「バァカ」

端正な顔を思いっきりゆがめ、社長が私に向かってそう言った。


 
< 225 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop