狼社長の溺愛から逃げられません!
 

たどり着いたのは豪華なマンション。
助手席の窓からじゃ一番上が見上げられないほどの高層マンションに絶句していると、社長があきれたように笑う。

「なにやってんだ」
「いえ……。社長は本当に雲の上の人だなと思って……」
「俺は住むところも車も別になんでもいいんだけど、広報が社のイメージがあるからってうるさいんだよ」

慣れた様子で地下駐車場に車を止めながらそう言う。

社長が映画祭に参加したり、試写会に登場するだけで話題になるんだから、そのイケメン社長像を壊してほしくない広報の人の気持ちもわかる。

「映画の神様に愛された王子様ですもんね」

前に読んだ社長のインタビューが載ったネットニュースを思い出してつぶやくと、社長が思い切り顔をしかめた。

「皮肉かよ」
「べ、別にそういうわけでは」
「わかってるよ。俺は王子様ってガラじゃない」

そう言ってふっと笑う。
鬼で厳しくて容赦ない社長は、綺麗な顔をした優しいだけの王子様よりずっと魅力的だ。


 
< 228 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop