狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「満足した?」

そう問われ、首を横に振る。

「……こんなのじゃ、ぜんぜん足りません」

顔を真赤にして社長を睨むと、吹き出すように笑われた。

「お前のそういうとこ、ほんと……」
「ほんと、なんですか?」

屈託なく笑いながらそう言われ、私は首をかしげる。

「涙ぐんだ上目遣いで必死に反論してくるとことか」

社長が言いながら、涙の浮かんだ私の目尻に優しいキスを落とした。

「俺の顔を見たら、一気に笑顔になるところとか」

まぶたに、頬に、耳たぶに。柔らかい雨のようなキスが降ってくる。

「キスしただけですぐ力が抜けて、幸せそうに笑うところとか」

耳元で甘くささやきながら、耳殻をなぞるように唇が動く。

「ほんと、……すげぇ好き」

艶のある声が鼓膜を震わせ、私は思わずその場にへたりこんだ。
真っ赤な顔で社長のことを見上げると、あきれたように社長が笑う。

「なにいきなりしゃがみこんでんだよ」
「だって……」

泣きそうになりながら、嬉しくて笑った。


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