狼社長の溺愛から逃げられません!
この前のホテルでのことは、目が覚めれば終わる夢だと思ってた。
地に足がついていないふわふわの感覚で、眩しい光の中にいるみたいだった。
だけど、ここはホテルのスイートルームじゃなくて、社長が毎日生活している部屋で。
これは目が冷めても終わらない現実で……。
「なに考えてる?」
声をかけられ顔をあげると、ベッドの前に立った社長がスーツの上着を脱ぎ落としながらこちらを見て笑っていた。
「こわいなと思ってました」
「なにが?」
私の言葉に、社長が軽く顔をしかめる。
「幸せすぎて、こわいです」
「なんだそれ」
だって。努と付き合っていたときは、こんな気持ちにならなかった。
好きすぎて不安になったことなんてなかった。
浮気されたときも、悲しかったけどそれだけだ。
でも、もし社長がこの先私に興味を無くしたら。もしほかの人と浮気をしたら。そう思っただけで、胸が焼けるように苦しくなる。