狼社長の溺愛から逃げられません!
 






この部屋にはもう何度も泊まってるのに、やっぱりどきどきしてしまう。

「おじゃましまーす」と小声で言いながら、主のいない部屋に入り靴を脱ぐ。

相変わらず、シンプルでセンスのいい部屋。
だけどソファーの脇のテーブルに読みかけの台本やDVDが積み上げられているのを見つけた。
そしてまるまった毛布。背もたれにかけられたパジャマ。

社長が色々出しっぱなしにしてるなんて珍しい。
もしかして、昨日の夜はソファーで脚本を読みながら眠ってしまったのかな。そして朝、そのまま慌ただしく家を出たのかな。

多忙な社長は、自宅にも仕事を持ち帰ってるんだろう。
それなのに、ちゃんと私と会う時間も作ってくれる。

忙しすぎて体を壊さないかと心配にもなるけど、愛されてるんだと実感して、嬉しさと愛おしさでじたばたしたくなる。

脱ぎ捨てられたパジャマを手に取ってぎゅっと胸に抱きしめた。

「あー……、もう。ほんと大好き……」

気持ちがこらえきれずひとり呟くと、うしろから吹き出す声がした。

 
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