狼社長の溺愛から逃げられません!
 




ぼんやりと目を開けると、薄暗い部屋の中で社長がこちらを見ていた。

私が起きたことに気づき、優しく笑う。
頬にかかった髪を長い指がかきあげ、耳にかけてくれる。

少し汗ばんだ肌にはりついた私の髪をかきわけ、うなじにふれた。
くすぐったくて首をすくめると、こめかみに触れるだけのキスをしてくれた。

とろりと眠くて、でも幸せで。
腕枕をしてもらってまどろみながら社長のことを見ていると、社長はなにかを思い出したように口を開いた。

「そういえば」
「はい」

指先で私の髪をつまみ上げ、遊びながら言う。

「ルイーズの二週目、数字伸びてたぞ」
「ええっ!?」

その言葉に驚いて、思わずガバリと起き上がった。

「本当ですか!?」

映画は普通公開一週目がピークで、その後ゆるやかに動員数が下がっていくのがほとんどだ。
たまに微増はあっても、マスコミに取り上げられもいないのに伸びるなんてことは滅多にない。


 
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