狼社長の溺愛から逃げられません!
「SNSでの反響も大きいし、レビューサイトの評価もいい。口コミ効果ってやつだな」
「やったぁ……!」
嬉しくて胸の前で両手を握りしめると、社長におでこを小突かれた。
「なにがやっただ。口コミで動員数が増えるってことは、作品はいいのに宣伝が十分に映画の良さを伝えきれてなかったってことだ」
「……はい」
相変わらず社長は容赦ない。
私は反論もできずにがっくりと肩を落とす。
「流行りに敏感な若い女を意識したキャッチコピーや宣伝だったけど、もっと純粋な映画ファンにも受けてる。明日デザイナーと相談して口コミや反響を全面に出したフライヤーを作って、これから公開する劇場に配れ。それから営業の福田に連絡して、劇場に売り込みをかけさせろ」
「はいっ」
本当に社長は鬼だ。
慌てて忘れないようにスマホにメモを残していると、ぽんと頭を叩かれた。
「でもま、とりあえず合格点だ。頑張ったな」
容赦ない指令のあとに、こんなに優しく微笑むなんてズルいと思う。
アメとムチを使い分けて、まんまと手のひらの上で転がされてる感じ。