狼社長の溺愛から逃げられません!
意味深な色っぽい笑みに、どうしようもなくドキドキしてしまう。
古賀さんとの話が終わったのか、なにごともなかったように社長室に入って行くうしろ姿を見送って、大きくため息をつく。
すると、隣にいた華絵さんがニヤニヤしながらこちらを見ていることに気がついた。
「美月ちゃん」
「な、なんですかっ?」
「顔真っ赤だよ」
「っ……!」
指摘されて慌てて両手で顔を隠す。
社長の姿を見ただけで、こんなに動揺してしまう自分が情けない。
「もうほんと美月ちゃんかわいい」
「お願いだから、からかわないでください……!」
オフィスの入り口近くでそんなやりとりをしていると、営業部の男の人が「おかえり」と声をかけてくれた。
営業部は映画を公開するために劇場に営業をかけ上映するスクリーンを確保する、いわゆるブッキングという仕事をしている部署だ。
その営業部の福田さんのなにか話したそうにそわそわしている様子に、「どうかしました?」と聞いてみると嬉しそうに近づいてきた。