狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「今日さ、社長が煙草を吸ってないらしいよ」
「えっ!?」

その言葉に、華絵さんとふたりで顔を見合わせる。

「あのヘビースモーカーの社長が、一本も煙草を吸わないなんておかしいよね。台風でもくるんじゃないかってみんなざわついてるんだけど、どう思う?」
「へぇー……」

営業さんの言葉に、華絵さんが相槌をうちながら意味ありげな視線で私の方を見る。
その視線が痛くて、また顔が赤くなってしまう。

なんとか誤魔化そうと平静を装いながら目をそらした。
そんな私たちのやりとりに気づかない福田さんは、首をかしげながら顔を曇らせる。

「台風がくるくらいならいいけど、もし体調が悪くて吸ってないとかなら困るよなぁ。うちの会社は社長の力が大きいから、万が一倒れられでもしたら大ダメージだよ」
「体調が悪いわけじゃないんじゃないかなぁー。誰かに言われて禁煙をはじめたのかもしれないよ。ねぇ美月ちゃん?」

福田さんを安心させるように言いながら、ちらちらとこちらを見る華絵さん。
私と社長の昨日の事件を知っているからか、面白くて仕方ながないという表情で私に笑いかける。

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