狼社長の溺愛から逃げられません!
 
信じられなくて確認すると、社長は当たり前だというように視線を落としたまま頷いた。

「お前が禁煙しろって言ったんだろ」

確かにそう言ったけど。
私の他愛のない一言を真に受けて、あの社長が禁煙をするなんて……!

信じられなくて、テーブルの上におかれた高級そうな灰皿を見下ろし立ち尽くす。

すると、いつまでも動けないでいる私に気づいた社長が、椅子から立ち上がりこちらに近づいてきた。
今日の社長はジャケットを着ていなくて、白いシャツの上に着たチャコールグレーのベストと首元を緩めたワインレッドのネクタイが妙に色っぽい。

「お前が言ったんだから、ちゃんと責任とれよ」

私の近くまできた社長が、長身をかがめ耳元でそう囁く。

「責任、ですか……?」

上擦った声で聞き返すと、社長の腕が私の腰にまわり体を引き寄せられた。
ゆっくりと顔が近づき鼻先が触れ、泣きそうなくらいドキドキしながら社長のことを見上げる。

すると、私の動揺を確認するように黒い瞳を意地悪に細めた。
意地悪に微笑みかけられて、抱き寄せられた体がびくりと震えてしまう。

赤くなった頬を見られたくなくてうつむこうとしたけれど、大きな手に頬を包まれ唇を塞がれた。

 
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