狼社長の溺愛から逃げられません!
「んん……!」
ぎゅっと目をつぶり全身を強張らせた私をからかうように、一瞬唇が離れまたすぐに塞がれる。
社長に抱かれた腰のあたりから、くすぐったいような甘い刺激が湧き上がって小さく肩が跳ねた。
あぁ、だめだ。社長にキスをされると体から力が抜けてしまう。
ただ触れるだけのキスなのに、膝が小さく震えてしまう。
ゆっくりと唇が離れると、社長は私のことを見下ろしていた。
「ど、どうしてこんなこと、するんですか……っ?」
肩で息をしながらそう言った私に、社長は息ひとつ乱すことなく涼しい顔で口を開く。
「じゃあ、なんでお前は拒まない?」
そう問われ、言葉に詰まった。
昨日の最初のキスは突然だったけど、今はキスをされるって分かってた。
……それなのに、なんで私は拒まなかったんだろう。
戸惑いながら社長の顔を見上げる。
意志の強そうな黒い瞳にまっすぐに見つめられ、一気に頬が熱くなった。
キスを拒まない理由なんて、ひとつしか思いつかない。だけどすぐに『ありえない』と首を横に振り、頭に浮かんだ言葉を打ち消す。