狼社長の溺愛から逃げられません!
 
深呼吸しながら、天井を仰いで自分に言い聞かせた。

勘違いするな。
からかわれてるだけだ。

社長はただ、キスをされて動揺する私を見て面白がってるだけなんだ。
禁煙のイライラを誤魔化すために、私を暇つぶしの道具にしてるだけなんだ。

そう繰り返しながら、キスをする寸前にむけられた社長の意地悪で甘い微笑みを思い出す。

微かに顔を傾けて黒い髪の間からこちらを見る視線。片方だけ口端をもちあげた綺麗な唇。

それだけで胸のあたりが締め付けられて、落ち着かなくなる。

あんな人を好きになったって、相手にされるわけないんだから。雲の上の人なんだから。

そう、何度心の中で唱えても、キスを拒まない理由なんて『社長に惹かれているから』以外思いつかなかった。



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