狼社長の溺愛から逃げられません!
「せっかく雑誌で取り上げてもらえるなら、社内試写室じゃなくどこかのコンベンションホールを借りたいよね」
そう言った華絵さんに、私は大きくうなずく。
三百近い劇場で全国同時公開されるような大作なら、実際の映画館やシネコンで試写会をすることもあるけど、『ルイーズ』は十館程度のスクリーンで順次公開していく映画で、そんなに宣伝費をかけられない。
欲を言えば、フランスから監督や主演女優を招待して舞台挨拶ができたら素敵だけど、それも予算を考えるとかなり難しい。
「できればほかのメディアにも取材に来てもらいたいし、試写会を開いてただ見てもらうだけじゃ芸がないよな。なにか興味を引く仕掛けがほしいよなぁ」
そう唸る宣伝部の保元部長に、私は女性誌を開き身を乗り出す。
「担当の編集さんとお話ししていたんですが、偶然この雑誌のモデルのレナさんが、フランスで公開されていた『ルイーズ』を見て面白かったと言ってくれているそうなんです。試写会イベントに招待できたらいいなと思ってるんですが」
そのモデルさんが載っているページを開きそう言う。
少し緑がかったヘーゼルの瞳が印象的なモデルさん。
目鼻立ちがはっきりとした整った顔立ちに、ひとなつっこい笑顔が可愛らしい女の子だ。