狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「編集さんに聞いてみたら、一般の方ですが交際をみんなにオープンにしてて事務所も公認のカップルだそうです。雑誌のイベントとかにも参加してるので大丈夫そうです」
「じゃあ今すぐ連絡とってみて」
「はい!」

よし! と両手でこぶしをにぎり気合を入れる。


宣伝部の会議が終わり、一番下っ端の私が会議室の後片付けをしていると、保元部長に声をかけられた。

「有川さん。悪いけどさっき言ってたモデルさんが載ってる雑誌、何冊か探してきて買ってきてくれない?」

営業部と共有する資料に使うんだろう。部長の言葉に「分かりました」と頷いて急いで会議室を片付ける。

財布と上着を持って近くの書店に向かおうとオフィスを出ると、エレベーターホールに社長の後ろ姿を見つけ、思わず足が止まった。

落ち着いたネイビーのスーツに、艶のあるブラウンのネクタイ。
スタイルのいい社長のスーツ姿は、立っているだけで絵になる。

『周りであれこれ言われると、落ち着かないからうっとおしい』と、秘書を周りに付けない彼は、いつもひとりで颯爽と仕事に向かう。

今から社長も外出するのかな。あそこにいるってことは、エレベーターに乗るんだよね。

 
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