狼社長の溺愛から逃げられません!
『なんでって。冷てぇなあ。まだこの前のこと怒ってんのかよ。別れるなんて言って悪かったよ。謝るから』
「……私たち別れたんだよね?」
『冗談に決まってんじゃん。あんな簡単に別れないって。いちいち真に受けて本気にするなよ。やっぱり美月が一番好きだなって思ったし』
「なにそれ……」
身勝手な言葉に、めまいがした。
一方的に電話で別れると言って、半月も一切連絡をしてこないで、今更なにもなかったことにしようとするなんて。
もしこれが、あの電話の直後に言われた言葉なら、私は怒りながらも努を許したかもしれない。
でも、今はもう彼の言葉が心に響かなかった。
感情が揺れない。少しも愛しいと思わない。
気持ちがさめるって、こういうことなんだと実感した。
「無理だよ。私、もう努のこと好きじゃない」
『はぁ……?』
私の言葉が予想外だったのか、電話から聞こえてくる声が低くなった。