狼社長の溺愛から逃げられません!
 

『お前ほんとめんどくさい。しばらく放置してたからってふてくされてんの? 悪かったって謝ってんじゃん』
「そうじゃなくて」

怒ってるとかふてくされてるとか、そういう問題じゃない。
ちっともわかろうとしてくれない努に、なんと言えばいいのか迷ってため息をついた。

『なに、お詫びになにか買えとか言う? じゃあ指輪でも買ってやろうか?』
「そんなの、いらないよ」

気持ちの込められていない指輪なんて、もらったって少しも嬉しくない。
私がなにを思っているかなんて想像もせず、なにか買ってやれば気が済むだろうなんて簡単に考えているのが伝わってきて悲しくなる。

『あーもう、めんどくせぇ』

そう言って、努がため息をついた。

『電話で話したってしょうがねぇし直接会おう。もうすぐ帰ってくんだろ。お前んちの前で待ってるから』

そう言われ、これ以上電話で話しても分かってもらえないと思って諦めた。

どうせ、私の部屋に置いてある努の荷物を渡さなきゃと思っていたし、これですっきりできればちょうどいいのかもしれない。

「わかった」と言いかけたとき、持っていたスマホを誰かに奪われた。

 
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