狼社長の溺愛から逃げられません!
驚いて顔を上げれば、いつからそこにいたのか社長が険しい表情で私のスマホを持っていた。
「社長……?」
戸惑う私を無視して、社長が私のスマホを耳に当てる。
そして冷たい声で言った。
「こいつがお前とよりを戻すことはないから、もう二度と連絡してくるな」
突然聞こえた男の人の声に、努が驚いてなにか怒鳴るのが聞こえたけれど、社長は容赦なく電話を切る。
そして立ち尽くす私のことを睨んで、うんざりしたように大きなため息をついた。
「お前、本当にイライラするくらい無防備だな」
「どういう意味ですか……?」
どうして社長が怒っているのかも、どうして勝手に私の電話に出たのかもわからなくて、困惑しながら社長を見上げる。
「あの男を部屋に上げてふたりっきりになったら、また強引に迫られてなし崩しによりを戻すことになるぞ」
「そんなことないです。もう好きでもない相手と、よりを戻したりなんてしないです」
「どうだか」
ちっとも信用してない社長に、むっとして頬をふくらませる。