狼社長の溺愛から逃げられません!
「お前は本当に、見てて不安になるくらい危なっかしいな」
「え? 別に危ないことなんてしてませんけど」
「そうじゃなくて」
首をかしげる私に、もう一度ため息。
社長は気怠そうに髪をかきあげながら、横目でこちらをみつめる。
「お前、あの男とよりを戻すつもりはないんだろ?」
「はい」
「じゃあ、簡単にふたりっきりで会ったりするなよ」
命令口調で言われ、戸惑いながら首をかしげた。
「でも、電話じゃ話を聞いてくれないし、ついでに家に置いてあった荷物を渡そうと思っただけで」
「そんなのいちいち相手にしないで、宅配で送りつけてやればいいだろ」
「……そっか。そうですよね」
なるほど、と目を見開くと「バカか」と冷たくつぶやかれた。
「お前みたいな鈍感で無防備な奴が、あんな男を部屋に上げたら簡単に丸め込まれるぞ」
「丸め込まれるなんて、そんなことないです」