狼社長の溺愛から逃げられません!
 

「一体なにをこんなに買ったんだよ」

社長が荷物を室内に運びながら、あきれたように言う。
私ひとりだと持ち上げるだけで大変だった大荷物を、軽々と運ぶ社長にきゅんとしてしまう。

「大掃除して色々処分していたら、カーテンとかシーツとか食器とか新しくしたくなっちゃって……」
「それにしても、限度があるだろ」

荷物を運んでくれた社長に「ありがとうございます」と頭を下げ、袋の中から買ってきたばかりのコーヒーカップやケトルを取り出し洗う。

「さすがに自分でも、ちょっと浮かれすぎたなと思います」

苦笑しながらそう言うと、社長は意外そうに言った。

「浮かれてたのか?」
「はい……」

なんだろう、と思い振り返ってうなずくと、社長がちいさく首をかしげて疑うようにこちらを見た。

「あいつに振られて落ち込んだ気分を変えるために、色々買い替えたんじゃないのか?」

そう言いながら、私の立つキッチンに近づいてくる。
洗った食器の泡を水で流している私のすぐうしろに社長が立った。


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