好きな人が現れても……
「持つのか?そんだけで」
日替わりランチのヒレカツにかぶり付きながら紺野君はモグモグと口を動かす。
重い溜息を漏らして、ん…と呟けば、ふーん…と唸り返す。
二人で黙々と食事して、私がおにぎりを食べ終えると、何かあったのか?と聞いてきた。
ピクッとおにぎりを包んでたラップを持つ手が揺れる。
無言で窺う紺野君に話せるようなことはない。
そう判断して、目を合わせずに「ううん」と首を横に振った。
「ウソ吐くなよ」
見透かしてるように囁き、小丼に残ってたご飯をかき込んだ。
「…行ったんだろ。昨日」
課長の家だというのは言ってない。
だけど、片思いの人の家を訪ねることは話してるから問われた。
「どうだったんだ」
お茶を飲みながら訊ねてくる。
答えたくなくて黙ってたけど、窺うような視線も痛い。
うん…と呟きながら、答えるのが億劫だった。
賑やかしい社食でせかせかと話せる内容でもない。
「横山……」
向かい側から名前を呼ばれ、視線を上げて紺野君を見た。
彼は唇の端を少しだけ引き上げ、今夜一緒に飲まないか?と聞いた。
日替わりランチのヒレカツにかぶり付きながら紺野君はモグモグと口を動かす。
重い溜息を漏らして、ん…と呟けば、ふーん…と唸り返す。
二人で黙々と食事して、私がおにぎりを食べ終えると、何かあったのか?と聞いてきた。
ピクッとおにぎりを包んでたラップを持つ手が揺れる。
無言で窺う紺野君に話せるようなことはない。
そう判断して、目を合わせずに「ううん」と首を横に振った。
「ウソ吐くなよ」
見透かしてるように囁き、小丼に残ってたご飯をかき込んだ。
「…行ったんだろ。昨日」
課長の家だというのは言ってない。
だけど、片思いの人の家を訪ねることは話してるから問われた。
「どうだったんだ」
お茶を飲みながら訊ねてくる。
答えたくなくて黙ってたけど、窺うような視線も痛い。
うん…と呟きながら、答えるのが億劫だった。
賑やかしい社食でせかせかと話せる内容でもない。
「横山……」
向かい側から名前を呼ばれ、視線を上げて紺野君を見た。
彼は唇の端を少しだけ引き上げ、今夜一緒に飲まないか?と聞いた。