好きな人が現れても……
「先週のお詫びに奢る。その時話せそうなら聞かせてくれ」


無理強いはしないからと言い、先に行く…と席を離れだす。

私はまだ返事もしてないのに…と彼のことを目で追いかけ、それに気づいた紺野君が立ち止まり振り向いた。


「この間と同じ時間と場所な」


駅前のコンビニに午後七時。
その言葉が頭に浮かび、断ることもせずに去って行く背中を見送った。





どうして断らなかったんだろう…と思いながらコンビニの書籍コーナーに立ってた。


終業前、いつもより早く仕事を終えようとする私を見て、杏梨ちゃんは楽しそうに「デート?」と聞いた。


否定もしないで黙ってると、自分もなんだーと嬉しそうに話しだす。親睦会で話し込んでた人に誘われて、食事に行くんだと教えられた。



「……そう…良かったね」


顔を綻ばせずに言うと、葉月もでしょ!と肩を叩いてはしゃぐ。
デートじゃないよ…とは言ったけど、信じてもらえずに庶務課を出た。


お先に失礼します…と言っても、課長は顔も上げずに、お疲れ様…と返しただけ。

その態度に気が重くなり、当然だけど…と思いつつ、コンビニを目指した。


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