いつかまた。【完】
そして昼間に用意したものを家中にまき、火をつけたマッチを落とした
私はアイツと幸子の寝室のドアにもたれて静かに燃え盛る炎を眺めた
そろそろ、かな
私がそう思った時丁度部屋の中から幸子の声が聞こえてきた
「ちょっと、なに?!すごく臭い」
「あぁ?」
幸子の声で起きたであろうアイツが
「落ち着けよ幸子、今見てくるから」
とドアに近づいてくるアイツ
フフッ
「あれ、なんだ?開かないぞ」
「ハッハッ、開かないよ。」
「宝か?!おい、開けろ!!何をしてるんだ!!この臭いはなんだ?!」
「教えてあげようか?今何が起こってるか」
「ちょっとあんた何してるの?!早く開けなさいよ、後でどうなるか分かってるんでしょうね!!」
「残念だけど、この先は何もないよ…。だってこの家、燃えてるもん」
「はぁ??ちょっと、何言ってるの?ちょっと本気?」
「どうしたんだ宝!!早くだせ!おい」
「もう限界なの、もう終わりたいの」
「おい幸子、消防だ!!早くしろ」
「えぇ、待ってください。ケータイが無い」
「この家にはなんにもいい思い出なんてない…。むしろ最悪な事しかない」
「おい!!お前ケータイをどこにやった!」
「どうして!!拓のお兄さんが死んでクズなお前が生きてんのよ!!」