羽をくれた君へ。
「えっ?・・・・・うん。」


2人とも私に何があったか聞かないんだ。


気ぃ使ってるのかな?


私はいたたまれなくなって魁音の手を引く。


「あのね、私話すから。聞いてくれる?」


私がそう言うとリクさんは微笑んでくれた。


「あぁ。ちゃんと自分から言えたな。」


私達はいつも練習している部屋に入って地べたに座った。


私は深呼吸して話す。


「この、傷ね、昨日お父さんに叩かれたの。」


「・・・・・・・なんで?」


「私が我慢出来なくなっちゃって、思ってること全部言ったの。それで、家を飛び出した。その時にリクさんから電話かかってきて。それで昨日に至るってわけ。」


私の話を何も言わず聞いてくれた。


「・・・・・・そうか。なるほどな。」


リクさんはそう言って私の頭をぽんぽんとした。


「まずは飯だな。話は後で。・・・・ほら、美紅の差し入れ。先に食べよーぜ。」


そう言うと魁音も続けて言った。

「ほらじゃあ、先に食べよ。」


「うん。」

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