羽をくれた君へ。
私の腕を引くとマイクの前に立たせる。


久しぶりだ。


ここに立つの。


私は思いっきり息を吸いこんで歌った。


今回は魁音とリクさんに向けて歌った。


感謝の気持ちを込めて。


リクさんが微笑んでいる。


今の私には助けてくれる人がたくさんいるんだから、何も心配しなくていいんだ。


そう思わせてくれる人。


その存在が何より嬉しい。


歌い終わると、魁音がエレキを持ちながら言った。


「どうせなら、今日からフェスまでここに住もうぜ。俺も、ここに住むからさ。」


「えっ、いいの?」


「いいだろ、リク!!」


「あぁ。・・・・・・・でも、魁音。」


「俺は大丈夫!!・・・・・・・俺は大丈夫だから。」


「そっか。別にいいぞ。好きに使って。」


「「ありがとう!!」」


私は美紅さんの服を借りたりして3日間ここに住むことになった。


流石に家には帰りたくないし。


1日中魁音のギターに合わせて歌える、その時間が何より楽しかった。


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