羽をくれた君へ。
そして、いよいよロックフェス当日。


「雫ーーーーー!!」


大声で私の名前を叫びながら魁音が部屋に入ってきた。


「どうしたの?そんなに騒いで。」


「これ!!これ着て!!」


そう言って渡されたのは黒のロゴが入ったTシャツ。


「これ?・・・・・・可愛い。」


女の子向けなのかな?


っていうか誰のなんだろう?


「これ、俺の好きなバンドのやつで、俺のもあるんだけど。一緒に来ていかない?」



ニコニコしながら言う魁音が可愛くて私は頷いた。


私は黒のTシャツに白のスカートを合わせて、首元にはお気に入りのシルバーのネックレス。


そして、家から履いてきた白のスニーカーを合わせた。


部屋を出ると廊下で魁音が壁にもたれかかって待っていた。


「お待たせ!!行こっか!!」


楽しみでテンションが上がっていると、魁音が顔を隠した。


「魁音?顔赤いよ?大丈夫?」


「大丈夫!!ほら、じゃあ行こ!!」


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