羽をくれた君へ。
魁音の1歩後ろを歩く。


あれ?


なんか、魁音痩せたみたい。


前から細かったけど、もっと痩せたみたいに見える。


大丈夫かな?


ちょっと心配になっていると、魁音が振り返った。


「雫!!あそこだよ!!」


指の先には大きなステージ。


「・・・・・・・・・・・凄すぎ。」


もう、言葉にならなかった。


会場の空気にもう呑まれていた。


「魁音。凄いね。・・・・・・・ここからならどこにでも届きそうだよ。声が。」


「そうだな。・・・・・・でも、飛ばそうと思えば飛ばせるんだよ。」


そう言った魁音の顔はちょっと寂しそう。


「魁音?」


「あっ、ごめん。大丈夫!!もっと前に行こ!!」


魁音のあとを付いていくと、ステージがしっかり見れるところに来た。


何分かして、ライブが始まった。


「お前らーーーー!!こんな暑い中来るなんてやっぱりさいこーーーーだなーーーー!!今日は思いっきり叫んで、楽しんで行けよーー!!」


「「「「「キャーーーーー!!」」」」」


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