羽をくれた君へ。
ボーカルの声にみんなが騒ぐ。


これがフェス。


隣にいる魁音を見ると、今まで見たこともないくらい目を輝かせていた。


「魁音!!フェス楽しいねー!!」


テンションが上がって叫ぶと魁音も大声で叫んだ。


「俺も!!マジで最高ーーーーー!!」


「あはははは!!テンション上がりすぎ!!」


盛り上がるごとにモッシュが激しくなっていく。


でも、それよりもこの瞬間を楽しみたい!!


ギターのガンガン鳴り響く音。


ボーカルの腹の底から出す声。


私も、あんなふうに・・・・・・・・・


「今日はありがとうございましたーーー!!これからも、応援よろしくなーーー!!」


ボーカルの挨拶が終わって、1時間に及ぶライブが終わった。


「魁音!!凄かったね!!」


「そうだな!!・・・・・・っ、ちょっと、雫。ちょっと休んでいい?」


さっきまで元気だった魁音の顔が青い。


「あっち!!日陰に行こ!!」


私は魁音の腕を掴んで歩く。

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