羽をくれた君へ。
どうしよう。


具合悪そうなのに全然気づかなかった。


ライブ会場の端にあるベンチに座った。


私はそこに魁音を座らせて、急いで自販機で水を買った。


「魁音!これ飲んで!!熱中症かもしれないよ!!」


「ありがと。・・・・・・・・・でも、大丈夫。熱中症ではないから。」


喋るのも辛そう。


どうしよう。


私が騒ぎまくったせいかな。


こんなに苦しそうなのに気づかなかった。


「雫のせいじゃないよ。」


私が考えていることに気づいたのか魁音が私の頭をくしゃっと撫でて言った。


「でも、私気づかなかった。・・・・もっと早く気づけたかもしれないのに。ごめんね。」


「ううん。雫のせいじゃない。それより、せっかく楽しんでたのにごめん。」


「そんなこといいの!!・・・・・・楽しめたから。」


「ふふっ、確かに。・・・雫ずっと騒いでたもんね!!」


ニコッと魁音が笑った。


「魁音?辛くない?大丈夫?」


「うん。大分いいよ。ありがとう。」


確かにさっきよりは顔色もいいかも。

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