羽をくれた君へ。
「じゃあ、次はここ行こっか!!俺このバンド好きなんだよなー!!」


「えっ!?今具合悪くなったばっかりじゃん!!ダメだよ!!」


「えー!!せっかく楽しむために来たのに?大丈夫!!また具合悪くなったら言うし、それに薬あるから。・・・ほら!」


そう言って私に薬を見せる魁音。


「・・・・・・薬飲めば大丈夫?絶対?」


「うん。・・・・絶対。だから行こう。」


私は魁音の言葉にうんと頷いた。


魁音を無理させないように楽しもう。


きっと心配しすぎると、逆に魁音に心配かけるから。


「じゃあ、行こっか!!せっかく来たしね!!」


「そう来なくっちゃ!!・・・・それにね、今日の夜、最後までいると花火が打ち上がるんだって!!見たいでしょ?」


「嘘っ!!本当に!?見たーーい!!」


花火なんて楽しみすぎる!!


一気にまたテンション上がった。


「よっしゃ!じゃあ行こっか!!」


ベンチから立って私の前を歩く魁音。


「待って!!」


先を歩く魁音を呼び止めた。


魁音は不思議そうに私を見る。


「もし、はぐれると大変だから。その、えっと、はい!!」


私は魁音に手を差し出した。

< 79 / 183 >

この作品をシェア

pagetop