羽をくれた君へ。
魁音はびっくりしたように私を見ていたけど、笑って繋いでくれた。


「ありがとう。・・・・・気ぃ使ってくれたんでしょ?雫のくせに。」


「くせには余計よ!!・・・・いいじゃん。いつも私ばっかり言われるから、たまには私から言ったって。」


「あはははは!!ふふっ、そうだね。じゃあお言葉に甘えて。」


魁音が笑ってくれると安心する。


本当には断られるんじゃないかって思ったんだけど。


「あっ、ここじゃない!?」


さっきよりも大きいステージ。


「ここだ!!・・・・・・すげぇ。これ何人入るんだろ。」


「入場規制なる前に入ろ!!」


私は魁音の手を握って歩く。


さっきのバンドとは違う雰囲気。


「このバンドはね、俺最初大っ嫌いだったんだ。そこまでギター上手くないし。だけどね、・・・・・・ボーカルの声聞いた瞬間体がゾワってなった。震えが止まんなかった。これが一目惚れっていうのかなってくらい。」


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