渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「こ、これはお受けしましょう、国王陛下!」
「アルハジャールとの繋がりは、強い武器になりましょう!」
大臣達は、ガイアスに条件をのむよう促す。
そんな欲にまみれた大臣達を、ガイアスは視線で咎めた。
「金を積まれて、ホイホイ条件に乗る国だと思われるぞ、この恥知らずが」
「し、失礼しました……」
「ナディア国の大臣として、誇りを見失うな」
ガイアスの鋭い視線に、その場にいた人間が息を呑む。そして、その絶対的な王の前に許しを乞うように跪いた。
その威圧感の中でも、平気そうにしているのはアルハジャール国王、ハミールだ。
「このナディア国にとっても、我が国に恩を売っておくのは、得だと思うがね」
「ハミール、俺は無駄な恩は売らない。それから……カルデアの事に関しては、"特に"、誰にも譲る気は無い」
『特に』を強調して言ったガイアスの腕に、力がこもる。
その腕を痛いと思いながらも、離さないで欲しいとカルデアは願った。
「今度カルデアに近づけば、親友であろうと容赦はしないぞ、ハミール」
「怖い男だよ、ガイアスは」
ハミールはやれやれと言った様子で、頭を掻いた。
(ガイアス様は、私を売らずにいてくれるのですね……)
カルデアは、嬉しくて泣きたくなるのを、必死に堪える。
でも、カルデアの中にいるもう一人の自分が、ガイアスの側にいてはならないと忠告してくるのだ。
それに、喜びはすぐに萎み、悲しみが胸の内に広がる。