渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


「ガイアス様」


カルデアは、ガイアスへの気持ちを振り切るように、声を発した。

その場にいた全ての人間の視線が、カルデアへと集まり、空気が張り詰める。


カルデアは自分を抱きしめるその腕から抜け出すと、ガイアスに向き直り、しっかりと瞳を見つめた。


「私はこの話、お受けしても構いません」

「なっ……お前は、何を言っているのか……わかっているのか?」


ガイアスの目が、驚きに見開かれる。

ハミールはというと、ご機嫌そうにピューイと口笛を鳴らした。


「それでナディア国が豊かになるのなら、私はハミール様の後宮に……」

「馬鹿な事を言うな!!」


自分の立場をわきまえて言ったカルデアの言葉は、ガイアスの熱い包容によって掻き消された。


「お前はすでに、俺の婚約者だ!誰にも渡さない!」

「ガ、ガイアス様……」

「ふざけるな……っ!」


ガイアスの声は、泣いているかのように震えていた。

そんなガイアスとカルデアを見たハミールは、見兼ねたようにパンパンッと手を叩く。


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