渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
(カルデアは、このような醜態をさらさない。いつも清く、美しいというのに……この女達ときたら)
金や権力に目が眩むのは、大臣も女も同じだと軽蔑する。
ガイアスにとって、カルデア以外の女は汚らわしい虫にしか見えなくなっていた。
「不愉快だ」
ガイアスは、限界だと言わんばかりに、荒々しく立ち上がる。
そんなガイアスの側に、控えていたシュドが近寄った。
「戻られますか?」
「あぁ、寝室に戻る。これくらいでハミールは怒らないだろうからな、後は勝手に楽しめと伝言しておけ」
カルデアがいないこの場所で過ごす時間は、ガイアスにとって無意味なモノだった。
(カルデア……)
喧嘩別れしてしまったカルデアを想い、胸が痛む。
距離を置くと言ったのはガイアスだったが、言い出したガイアスの方が、すでに耐えられそうになかった。
「わかりました、お伝えしておきます」
「ついでに言えば、酔った勢いで俺の寝室にでも入ってこようものなら、即座に斬り捨てると脅しておけ」
(ハミールは、綺麗ならば男でもイケるタチらしいからな)
ガイアスは念を押すように、シュドに伝言を頼んだ。
「酷い扱いですね、承知しましたよ」
苦笑いのシュドに全てを任せて、ガイアスは宴に背を向けると、その場を後にした。