渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


「ハミール様、何を……っ」

「ガイアスに免じて、お前を諦めるつもりだったが、やはり止めた」

「えっ……」

「俺に怯えたような反応を示すその美しい顔、申し分ない肉体に、堪らなく惹き付けられる」


ハミールはその唇をカルデアの頬に這わせた。
それに、カルデアは嫌悪感から、吐きそうになる。


「やっ……!」

(嫌っ……ガイアス様っ、助けて!)

目に涙が滲み、カルデアはギュッと目を閉じた。



「カルデア!!」


突然、名前を呼ばれた。

目を開けるより先に、カルデアの拘束が解け、代わりに温かい温もりに包まれる。

その強い腕と太陽の匂いに、カルデアは抱き寄せたのが、ガイアスだとすぐに気づいた。


「あっ……ガイアス、様ぁ……っ」


振り返ってガイアスの顔を見た瞬間、カルデアはホッとしたからか、情けない声で泣き出した。

一度、ヘルダルフの妻となった身だが、その身はまだ純潔。

男性にあのように触れられたのは初めてで、カルデアは怖かったのだ。


< 112 / 205 >

この作品をシェア

pagetop