渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「うぅっ、ふっ……」
「カルデア、カルデア、大丈夫か?」
先ほどの怒りを収めて、ガイアスは心配そうに、泣きじゃくるカルデアの顔をのぞき込む。
その顔は涙に濡れていたが、やはり美しいと、ガイアスは場違いな事を考えた。
「早く助けてやれなくて、すまなかった……」
「ガイアス、様っ………」
(いいえ、ガイアス様が悪いんじゃないのに……っ)
そう伝えたくても、カルデアは唇が震えて名前を呼ぶ事しか出来なかった。
カタカタと体を震わせるカルデアを、ガイアスは強く抱き締めると、その体を横抱きにして抱える。
「ひとまず部屋に戻るぞ、ここだと人目があるからな」
「は、い……っ」
優しく諭す様に告げられたカルデアは、縋るようにガイアスの首にしがみつく。
ガイアスは、か弱い生き物を守るかのように、優しく強く、その腕の中にカルデアを閉じ込める。
そしてゆっくりと、カルデアの寝室へと歩き出した。