渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「落ち着いて、策を議会で話し合いましょう」
「っ……あぁ、悪かった」
シュドに諭されて、ガイアスは怒りを必死に飲みこむようにして、震える声で頷く。
その姿が、今にも泣き出してしまいそうな子供のように見えたカルデアは、悲しみに心揺さぶられた。
「ガイアス……」
「大丈夫だ、お前の事は必ず守る」
不安に揺れるカルデアの瞳を、ガイアスは強く見つめ返し、優しくその頭に手を乗せる。
「シュド、至急大臣達を集めろ、臨時議会を行う。議題は集まり次第話すと伝えろ」
「承知しました」
「それから、カルデア」
ガイアスはテキパキと指示を飛ばし、ひと段落着くと、呆然と立ち尽くしているカルデアの前で腰をかがめ、目線を合わせる。
「皮むきは俺が監督出来ないから、ここで終わりにしろ。それから……一人で泣くな、辛い時は俺かマオラの前で泣け」
「っ……はいっ」
(ガイアスは、私の不安に気づいている……。どんな時でも、私を見ていてくれてるのね)
カルデアは涙を指で拭うと、ガイアスに笑ってみせる。
それでも、心の中にあるのは不安と罪悪感だった。
カルデアが必死に繕った笑顔に、ガイアスは気付く事なく満足そうに頷く。
「行くぞ、シュド」
「承知しました」
踵を返すガイアスの背中を、カルデアはただ見送る事しか出来なかった。