渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
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「恐れながら進言しますが、離縁するべきです」
「元々、カルデア様は貧困国出身で、あげく穢らわしいイナダール国王の元妻なのですよ?」
「この国の王妃には……相応しくないのでは?」
議会で大臣達の口々から出るのは、カルデアの離縁だった。
それに、ガイアスは国王である事を忘れて、怒り狂いそうになったが、爪が食い込むほど拳を握りしめ、なんとか耐えた。
(この議題の問題点は、どこだ?)
大臣達の言葉を遠くに聞きつつ、ガイアスは策を練る。
アルナデール国に支援を送る事は可能だが、それではナディア国の財政が傾いてしまう。
それほどまでに、アルナデール国の条件は一方的なもので、ガイアスは頭を悩ませた。
「条件をつっ返すにしても、それでは根本的解決にはならない」
(それに……あの心優しいカルデアの事だ、自分を犠牲にしてこの国を出て行くと言い兼ねない!)
という事は、カルデアの体だけでなく、心も守らなければ、カルデアを本当の意味で守れたとは言いきれないのだと、ガイアスは気づく。