渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
町ではちょうど、月一のバザーが開催されていた。
商人達が他国から仕入れてきた珍しい色の宝石やアクセサリー、見た事もない果物や民族衣装などが露店に並んでいる。
「はぐれるといけないからな、手を貸せ」
「はい……」
ガイアスは大きな手でカルデアの手を包み込んだ。
たくさん触れ合ってきたというのに、カルデアは生娘のように、未だに恥じらってしまう。
赤い顔を悟られないように、カルデアは露店を見ているフリをした。
「カルデア、お前の国は酒が有名ならしいな」
手を繋ぎながら、露店の間にある細い道を二人で歩いていると、ガイアスが不意に尋ねる。
「え? あ、ウィッカーの事かしら」
アルナデール国には、ロミエド山脈という雪山があり、その山から取れる雪解け水を使った、濃く強い酒が有名だった。
カルデアは何故そんな事を聞くのか、不思議に思いながらもそう答える。
「カルデア、その酒を使ってアルナデール国を立て直そうと思う」
「た、建て直す?」
「もちろんウィッカーだけでは無理だが、アルナデール国の特産物を財源に必要な人材を整え、国を真に思う国王を立てる」
冗談で言っているのではない事は、すぐにわかった。
大事な事で、ガイアスは嘘をつかないからだ。