渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


「俺は初め、お前だけを守れればそれでいいと思っていた。だが、お前は心根が優しすぎて、犠牲の上に幸せになる事に傷つく」

「ガイアス様……」


(そんな風に、私の事を考えてくれていたのね)

全てを守ろうとしてくれるガイアスに、カルデアはますます、この人を愛しいと思った。


「だから、お前も母国も人も……全てを守り、お前を幸せにする」

「っ……私が欲しい言葉を、あなたはいつもくれるのね」

「俺が優しいのは、お前にだけだ」


ガイアスはカルデアの手を引いて、ニッと笑う。
その笑顔に、カルデアの心は嘘みたいに晴れていくのだ。


「明日からまた、考えなければならない事が沢山あるが……カルデア、今日は俺と楽しめ」


「あっ……ふふっ、えぇ、そうするわ」


その後、嫌な事は何もかも忘れて、ガイアスに連れられるがままに、カルデアは露店を見て回った。

そして、ある露店で足を止めたガイアスが、「少しここで待っていろ」と言って、一人でお店に入って行く。

それを見送ると、カルデアは不意に肩を叩かれて振り向いた。


「カルデア様、探しましたよ」

「え……あなたは……?」


そこにいたのは、城の大臣の服を着た年配の男性だった。
その服を見て、カルデアは不審者ではないとホッとする。


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