渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「では、行きましょうか」
「え、あの……国王陛下が露店に……っ」
(勝手に離れたら、ガイアスが心配するわ)
カルデアの手首を掴んだまま、歩き出そうとした大臣を慌てて止める。
「国王陛下には、今頃別の大臣が城に戻る事を伝えてくださってる事でしょう」
「あ、そうなのですか……わかりました」
(一緒に城へ帰りたかったけれど、仕方ないわよね……。私の母国の事で、皆さんにご迷惑をかけているのだから)
カルデアは言われるがまま、ルドルフ大臣の後を継いていく。
そして、曲がり角を曲がった時だった。
「すみませんね、王妃様」
「えっ……」
首の裏に衝撃が走り、カルデアの意識が遠のく。
地面に転がると、先程の笑みが嘘みたいに冷徹なモノへと変わったルドルフの顔があった。
(どう……して……助けて、ガイアス……っ)
カルデアはガイアスと離れた事を後悔しながら、抗えない眠気に負けて、意識を手放した。