渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


船の揺れる感覚と軋む音に、少しずつ意識がハッキリとしてきたカルデアは、ゆっくりと目を開けた。

(ここは、どこ……?)

確認しようとして起き上がると、首の後ろに激痛が走った。


「ううっ……痛っ」


カルデアは首に手を当てて痛みに耐えながら、意識を失った時の事を思い出す。

(あの時、何かで首を殴られて……それで、意識を失わせられたんだわ)


改めて周りを見渡せば、そこは船だった。
景色は見えないため、おそらく船底部屋なんだろう。

しかも、牢屋のような格子に囲まれている。

壁には灯油ランタンがぶら下がっており、日が暮れているのか、その炎だけが辺りを照らしていた。


「船が揺れてる……まさか、出航しているの!?」


(私は……どのくらい意識を失っていたのかしら、この船はどこへ向かっているの……?)


不安が募り、カルデアはパニックを起こしそうになる。
そんな時、薬指に光る銀の指輪が視界に入った。


「ガイアス……っ」

(ガイアス、あなたに会いたい……っ)


指輪をはめた左手を胸に抱きしめて、少しでもガイアスの温もりを思い出そうとした。


けれど、どこからか漏れた海水に、カルデアのドレスはグッショリと濡れており、体は冷たくなる一方だ。


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