渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「何故、何故そのような……っ」
「あなたは、ナディア国の害虫だ」
(害、虫……?)
突然、ルドルフ大臣の顔から笑顔が消えた。
そして、本当に虫を見るかのように不愉快そうな顔をして、カルデアを睨みつける。
「ぁっ……っ」
(怖い……怖い、怖いっ、怖いっ!!)
その蔑むような瞳に、前夫のヘルダルフの影が重なり、カルデアは無意識に息止めた。
「この美しいナディア国に害をなす生き物は、皆害虫なのですよ。だから、あなたにあの国にいる資格はありません」
(これが、国を……思っての行動だというの?)
ルドルフ大臣は国の為にカルデアを、アルナデール国に売り飛ばすのだと言う。
そのやり方におかしいと思いながらも、カルデアは完全に否定する事は出来なかった。
(優しさで、国は救えないもの……)
それが出来たとしても、裏で手を汚している人がいるのかも知れないと、カルデアは思った。