渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「奴隷船の進路はアルナデール国に向かってるんだったな」
「はい、恐らくカルデア様を奴隷としてアルナデール国に売りつける気でしょう」
シュドの言葉に、ガイアスは煮えくり返るような怒りを覚える。
(依頼したのはアルナデール国なのか、それともルドルフ大臣の独断か……。どちらにせよ、我が王妃を道具のように扱った事、許しはしない)
「国王陛下、奴隷船を確認しました!」
ガイアスの元へ海兵の隊長が報告に来た。
ガイアスの顔に、好戦的な笑みが浮かぶ。
「これより、奴隷船の摘発に向かう。第一優先事項は王妃の保護だが、他にも捕えられている人間がいるだろう、そちらの解放にも尽くせ。そして、首謀者は一人残さず引っ捕らえろ!」
ガイアスの声に、海兵達は声を揃えて敬礼をした。
目の前に見えるは、海に浮かぶ小島のように、巨大な奴隷船。
ガイアスは腰に差した剣を抜き、空へと掲げる。
「いざ、進撃せよ!」
ガイアスの号令と共に、「オォォーッ」と海兵達が声を上げ、奴隷船へと突っ込む。
(カルデア……待っていろ、必ずお前を救う)
心に愛しい妻の姿を思い浮かべて、ガイアスは奴隷船へと先陣を斬り、乗り込んだ。