渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


***


「その汚らわしい手で、我が妻に触れるな!!」


もうお終いたと目を閉じていたカルデアの耳に、聞こえるはずがない愛しい夫の声が届いた。

信じられない気持ちで、カルデアは目を開く。

そこには、褐色の髪と肌に、頼もしい広くて大きい背中が視界にいっぱいに広がった。


「あぁっ、ガイアス……っ」


(来てくれたのね……私の、愛しい人……っ)

胸が熱くなり、目に涙が溢れてくる。

先程までの不安が嘘みたいに、心が晴れていくのをカルデアは感じた。


「お前達、どうやってこの船に入った!?」

「その女はうちの商品だぞ、横槍入れるなよ!」


カルデアを襲った男達は、ガイアスに向かって壁に掛かっていた斧を構える。


「……耳が汚れる、それ以上何も語るな!」

「ヒッ……あぁぁ……っ」


ガイアスが言葉を発しただけで、息もできないほどの威圧感が部屋中に立ち込める。

男達は生まれたての小鹿のように膝を震わせて、同時に腰を抜かした。


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