渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「この女は、お前達の商品ではない。この俺の王妃だ、そこを履き違えるなよ、愚図が」
「あーあ、ガイアス様を怒らせるだなんて、生きて帰れるといいですね、あなた方」
鋭い眼光で睨むガイアスの側に、シュドが立つ。
そして、不気味なほど深い笑みを貼り付けて、男達にそう言った。
そして、プルプルと震える男達をナディア国の海兵が縛り、甲板へと上げていく。
その中で、ガイアスはカルデアを振り返った。
「……カルデア……!」
「……ガイ、アス……」
名前を呼ばれたカルデアは、涙を流しながらガイアスを見上げた。
そんなカルデアの前に膝をつき、ガイアスは掻き抱くようにして、その胸に引き寄せる。
「あっ……」
(痛い……けれど、このままでいたい)
愛しさや切なさ、安心や不安が入り交じったように溢れてきて、カルデアは縋るようにガイアスの胸に頬をすり寄せる。
「本当に、一人にして、遅くなって……怖い思いをさせて……っ、すまなかった……っ」
ガイアスの声は震えていた。
ここまで気丈に振る舞えたのは、カルデアを助け出すという一心で気を張ってきたからだ。
その姿を目に捉えた瞬間、ガイアスは安心して気持ちの糸が切れるようにカルデアを抱きすくめる。