渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
もう二度と戻らないと思っていた城へと帰還したカルデアは、王座に座る国王と、側に控えるアイルの姿を見て、思わず泣き出しそうになった。
「国王陛下……それから、アイル」
「カルデア姉様!!」
アイルの目にも涙が滲んでおり、カルデアは安心させるように微笑んで見せた。
「よく戻ったな、カルデア」
声をかけてきた国王は、私欲に満ちた目でカルデアを見ると、膨れ上がった腹を擦りながら、カルデアを見る。
相変わらず女達を側に侍らせており、カルデアは自分の父である事に恥ずかしさを覚える程、嫌悪感が湧いた。
「余計な者まで連れてきたようだが」
「失礼、俺はナディア国、国王、ガイアス・ナディアだ」
国王の視線が自分に移った事に気づいたガイアスは、一歩前に出て名乗りを上げる。
そんなガイアスに国王はフンと鼻を鳴らした。
「カルデアはお前には嫁がせんぞ。ナディア国はこの地より最南端に存在する、私はアルナデール国により近いカモが欲しいのだ」
「カモ……なかなかに斬新な言い方をするのだな、お父上は」
「お父上ぇ……?」
ガイアスが自分を父上呼ばわりした事に、国王は眉をピクリと動かした。
そんな国王に気づきながらも、ガイアスは平然とした態度で国王を真っ向から見つめる。