渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
(ただ、アレは紛れもない王女だ)
ガイアスがそう思うのは、王女としての自分の身の振り方を、わきまえているカルデアを見ているからだ。
「この国に来たのも、恐らく……」
(カルデアにとって、二つの母国を守るためだ。決して、俺の王妃になりたいと望んだからではない)
そう思うと胸がチクリと痛み、心から望んでいるのは自分だけかと、ガイアスは落胆した。
「だが、そんな気高いカルデアに惚れた」
ガイアスは自分の胸に手を当てて、笑みを浮かべた。その気持ちが消えないようにと、守るかのように。
「形に残るモノだけが、贈り物ではありませんよ。本当にカルデア様が喜ぶモノを、差し上げては?」
「そう……だな」
(手始めに、カルデアが見たいと言った花だな)
シュドの言葉に、俺は強く頷いて、書類に手をかける。
この政務をさっさと終わらせて、カルデアに会いに行こうと、ガイアスは心に決めたのだった。