渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


「あの時、俺は王として泣くわけにはいかなかった。俺の肩には、幾万といる民の命が乗っているからな」


(ガイアス様は国王……王女である私にさえ理解しえない苦しみを背負っているのでしょう)


それでもカルデアは、泣いてはいけないという言葉に納得出来ずにいた。

ガイアスをまっすぐに見つめ返し、繋いだ手を強く握りしめると、カルデアは口を開く。



「国王だって、人間です」


「いいや、カルデア。王は人ではなく、民にとっての神だ。そうなる事を、周りは望む。だからこそ王は、孤独だ」


(王だから、孤独になるべきだと言うのなら、間違いだわ)


カルデアは首を横に振ると、ガイアスの褐色の頬に手を伸ばし、触れた。
カルデアの行動に、ガイアスは目を見張る。


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